突然給与計算担当者がほとんど引継ぎもせずに退職していってしまいました。来月以降どうしたら良いでしょうか？
これは大変ですね！10人規模の会社で給与計算担当者がいなくなってしまうと、業務が滞ってしまう可能性があります。弊社のクライアント様で同様の経験をされたことがあります。お気持ちよく分かります。まずは落ち着いて、考えられる選択肢を整理し、それぞれのメリット・デメリットを比較検討していきましょう。
専門家が詳しく解説いたします！
アールイープロデュース株式会社、東京中央社会保険労務士事務所 代表取締役
保有資格：
中小企業診断士（平成７年）、社会保険労務士（平成１０年）
経歴：
昭和５６年４月 大阪市立大学 経済学部入学
昭和６０年４月 株式会社紀陽銀行 入行
中の島支店、システム部を経て平成１２年１０月に独立開業
経営コンサルティング会社 NEXTAGE（ネクステージ）で独立開業
平成１５年３月 アールイープロデュース株式会社 設立
同時に東京中央社会保険労務士事務所 開設
代表に就任し、現在に至る。
１．現状の課題を整理しましょう！
■給与計算業務の停滞：担当者不在により、従業員の給与支払いに支障が出る可能性がある。
■法改正への対応：給与計算は法改正の影響を受けやすく、対応を誤ると法令違反のリスクがある。
■業務知識の欠如：引継ぎが不十分なため、給与計算の知識を持つ人が社内にいない。結果、給与計算業務をスムーズに運営していくことができなくなる。
■時間的制約：社長であるあなたが管理部門も担当している場合、給与計算に時間が割かれて、本業への集中度が低下し、業績への悪影響をもたらす可能性がある。
２．選択肢を探る
大きく分けて、「内製化」と「アウトソーシング」の2つの方向性があります。
（１）内製化について
①選択その１：社員を育成することが先決
＜メリット面＞
〇長期的に見るとコストを抑えられる可能性がある。
〇社内にノウハウが蓄積される。
〇緊急時にも対応しやすい。
〇情報漏洩のリスクが低い。
＜デメリット面＞
〇育成に時間とコストがかかる。
〇育成担当者の負担が増える。
〇担当者が退職した場合、再度育成が必要になる。
〇法改正への対応など、継続的な学習が必要。
②選択その２：新たに社員を採用する
＜メリット面＞
〇即戦力を期待できる。
〇 社内の業務知識が向上する。
＜デメリット面＞
〇採用コストがかかる。
〇採用に時間がかかる場合がある。
〇給与や社会保険料などの人件費がかかる。
〇ミスマッチのリスクがある。
（２）アウトソーシングについて
①選択その３：社会保険労務士に依頼する
＜メリット面＞
〇専門的な知識を持つプロに任せられるため、正確性が高い。
〇 法改正への対応も任せられる。
〇担当者の採用・育成コストが不要。
〇業務効率化につながる。
＜デメリット面＞
〇費用がかかる。
〇社内の情報共有が必要。
〇コミュニケーションコストがかかる場合がある。
②選択その４：給与計算代行サービスを利用する
＜メリット面＞
〇社会保険労務士に依頼するよりも費用を抑えられる場合がある。
〇クラウド型のサービスを利用すれば、データ共有が容易。
〇担当者の採用・育成コストが不要。
＜デメリット面＞
〇社会保険労務士ほどの専門性はない場合がある。
〇サービスによっては、対応範囲が限られる。
〇社内の情報共有が必要。
３．最良の選択肢（優先順位順）
上記のメリット・デメリットを踏まえ、中小企業である貴社にとっての最良の選択肢を3つご提案します。
（最良選択肢その１）
給与計算代行サービス + 社員教育
まずは外部の専門家に依頼することで、給与計算業務の停滞を解消し、正確性を確保します。同時に、既存社員の中から、経理や総務の経験がある人、もしくは数字に強い人を1名選出し、代行サービス会社との窓口担当として教育します。
＜メリット＞
業務の安定化とコスト削減、社内ノウハウの蓄積を両立できます。窓口担当者は、代行サービスとのやり取りを通じて、徐々に給与計算の知識を習得できます。将来的に内製化を目指すことも可能です。
＜デメリット＞
代行サービス費用が発生します。社員教育には時間がかかります。
（最良選択肢その２）
社会保険労務士に依頼 + 社長自身が最低限の知識習得
専門家である社会保険労務士に依頼することで、法改正への対応も含めて安心して任せられます。社長自身が、給与計算の基本的な知識を習得することで、社会保険労務士とのコミュニケーションが円滑になり、業務の透明性が高まります。
＜メリット＞専門家による正確な処理と、社長自身による業務の把握を両立できます。
＜デメリット＞費用が高くなる可能性があります。社長の学習時間が必要になります。
（最良選択肢その３）
新たに社員を採用（経験者）
経験者を雇用することで、即戦力として業務を任せられます。
＜メリット＞社内にノウハウが蓄積されます。
＜デメリット＞採用コストや人件費がかかります。採用に時間がかかる場合もあります。
４．選択肢を選ぶ際のポイント
①予算：どの程度の費用をかけられるのか。
②時間：どれくらいの時間的余裕があるのか。
③専門性：どの程度の専門知識が必要なのか。
④将来性：将来的に内製化を目指すのか、アウトソーシングを継続するのか。
まずは複数の給与計算代行サービスや社会保険労務士に見積もりを依頼し、サービス内容や費用を比較検討することをおすすめします。無料相談などを活用し、自社の状況（何をアウトソース企業にお願いしたいのかを具体的に）を詳しく説明し、最適なプランを提案してもらうと良いでしょう。今回の状況は大変ですが、焦らずに一つずつ解決していきましょう。応援しています！
東京中央給与計算センターの3つの強み
- スピード対応: 質問や問い合わせに即レス！
- 高品質・正確性: ミスやトラブルを未然に防ぐ
- お客様ファースト: 親身で丁寧な対応を心がけています
「時間がない！」「面倒くさい！」を解決します！
