中小企業の経営者に伝えたい事(ベスト5)

私は社労士ですが、中小企業診断士でもあります。いわゆる、経営コンサルタントなんです。付き合いが深くなると「経営の事で経営者からご相談」を受けることがありますが、社労士なんで早々相談が多くないです。その中で、中小企業経営者にぜひ実践して欲しいことを5つ書きます。

(1)経営理念がぼやーっとしている会社が多すぎる

まず、御社の経営理念・ビジョン。できれば行動指針まで作成してください。これができれば、「何のために自社事業を展開しているのか?」が明確になり、また、ビジョンを策定することで従業員に「進むべき道」を示すことができます。さらに、「行動指針」を作成してみてください。それで採用する人材が明確になります。履歴書やキャリアは優秀というだけで採用していませんか?自社の内部事情を考慮しない採用は離職者を増やすだけです。

(2)売上を上げることも大事ですが、コストを下げることを検討

こんなことを言うと、安直な経営者はすぐ「人件費」を思い浮かべます。給与を上げないとか、リストラするとか、です。最終的には間違っていないのですが、まずやることは、自社の「業務フローを0リセットで考える」ということです。仕事のやり方を180度変えてしまうのです。そのために、いままで使っていた古い仕組み(レガシーなシステムや仕組み)を捨て去る勇気が必要です。この意思決定を経営者ができれば、会社のコストは大きく下がります。同じ仕事でも従来の2倍、3倍の生産性が上がるわけです。そうするとトータル的に人件費も下がります。この方法で利益を厚くしていくのです。

(3)やはりアメとムチ

アメばかり、ムチばかり、の極端な経営者がとても多いです。経営者一人の会社ならそれでOKですが、従業員を雇用している場合なら「アメとムチ」の絶妙なバランスが必須です。その指標が賞与だと私は思っています。会社の利益と連動させた賞与の仕組みを入れて下さい。利益が出ない時は賞与も支給しない。会社の利益が大きかった場合、賞与もたくさん支給する。この当たり前の仕組みがあるか、無いか、で従業員のモチベーションが大きく変わってきます。

(4)確定拠出年金は必須で導入

中小企業が優秀な方を従業員として迎い入れる場合、「確定拠出年金は必須アイテム」だと思っています。優秀な方は、大概大手企業にお勤めです。大体企業型の確定拠出年金に加入しています。そこで御社に転職する際に確定拠出年金が「ない」ってなると、「ああ!やっぱり中小企業だよな!!」って思われちゃうわけです。そんなのシャクじゃないですか?リクルート的にも、御社の会社負担社会保険料を削減する目的、従業員の退職金手当の方策としても有効なので、ぜひ導入検討を!

(5)在宅ワークを間接部門だけでも良いので導入

コストを下げたければ、本社社屋のコストを下げるべきです。そして、出社しなくても仕事ができる(回せる仕組み)を真剣に考えてください。こんなことを言うと「リアルにかをを合わせて打ち合わせした方が良い」っていう経営者がいます。それは一理あります。しかし、「出社:通勤」という酷なことをやらせてどれだけ効果があるのだろうか?と疑問を呈します。現場をお持ちの会社で現場部門はそりゃ無理です。しかし、管理部門って電話とパソコンがあれば仕事はできます。それを現場部門が出勤しているから管理部門の出勤なんて発想で出社を強要している会社が腐るほどあります。本社のスペースを極限まで小さくする知恵や工夫を絞り出してください。必ず会社は復活するはずです。